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田中の部屋
世紀を超えた大変革の時代

今回はキャリトレメンバーでもある仲津さんより依頼され、活動10周年を迎えたアントレ・ラボのメーリングリストに寄稿した文章を載せる。

今回の寄稿文に対するご感想・ご意見を広く募集していますので、遠慮なく、田中宛に送ってください。

↓ (以下寄稿文)

昨今は、NHK大河ドラマの影響もあって、坂本龍馬がブームとなっている。

衰退する江戸幕府を追い込み見事明治維新を成し遂げた維新の志士たちをなぞって、この大変革の荒波に果敢に挑戦している人も増えてきていると考える。

 ただ、私は、これからの未来を予測するにあたって、明治維新が起こった100年余り前にさかのぼるのではなく、もっと長い年月、それも2000年以上もさかのぼった上でこの変革の意味を考察する必要があると考えている。

 これまでの2000年にわたる人類のたどってきた道について、かなり大胆ではあると思うが、私は、2つのキーワードでまとめてみた。


一つが、「分断(機械化)」。そして、もうひとつが、「女性蔑視」。


この2000年の間に、人間社会の分断化は、かなり進んだと考えている。分断化というのは、たとえば、職務の分断(縦割り組織化)、階級の設置(上下の身分の区分)、金持ちと貧困層の誕生、などのことを言い、さらには、人と人のコミュニケーションの希薄化、核家族化、孤独感死の増加、などもこの分断化が進んだ結果起こっている事象として考えてもよい。分断化を進めることにより、各々のプロセスが明確になり、それが産業革命、大量生産へとつながっていった。

そして、現在の物質的には豊かな世の中を生み出した。しかし、ここ最近になってきて、分断化には限界があることは、皆が理解し始めてきている。その限界がもっともあらわれているのが環境問題だ。分断化を進め、部分最適化を進めていく中で、それぞれの関連性を無視するようになった人間は、いつしか全体最適を忘れ、それが環境問題として表れてきたのだ。

さらに、心の問題もこの分断化の結果、大きな問題になったと考える。分断化が進んだために、人間自身も機械の一部として働くことを強要されるようになり、それに対して人間の本能が反発していること、さらには、人とのコミュニケーション・触れ合いが希薄化することにより、心の病として表れてきているともいえる。

そして、「女性蔑視」については、2000年前前後に生まれた宗教(キリスト教、イスラム教、仏教)をみると明確にわかるとおり、男性と女性の扱いをまったくわけてしまっている。中世には、力のある女性を魔女として、魔女狩りが行われた史実もまた、この女性蔑視の裏付けになる。日本でも、卑弥呼のようにかつては女性でも組織の長になることはあったが、聖徳太子誕生後の律令国家では、女性の首長が生まれることはごくまれとなった。女性は、家事に専念し、政事は男の仕事と分業体制になって今日に至っている。


では、これから先はどうなるか、というと、キーワードは、やはり2つ。

一つが、「統合(人間らしさの復活)」。そして、もうひとつが、「女性復権」。


分断化がもたらした最も大きな問題である、環境問題も、そして心の問題も、行き着くところまで来てしまった、と感じている人は多いと考える。これからの人間のこと、地球環境のことを考えると、今こそ、私たちがアクションを起こして、この2000年以上にわたって続いてきた分断の流れを変える必要がある。

そう、「輪廻転生」、「食物連鎖」、「Circle of Life」、などの言葉にあるとおり、“すべてはつながっている(統合)”ということを、人類が再認識し、自分の生活様式を含めて抜本的に変えていかなくてはならにないと考える。

そして、忘れてはいけないのが、われわれ日本人は、このものごとのつながりを大事にしてきた国民であることだ。

しかし、昨今の大量生産の流れにのまれ、このつながりの大事さを忘れてきている。

たとえば、川の汚染問題。

人や工場で使った汚い水をとりあえず川に流しておいて、そして、その汚れた川の水を浄水場できれいにして、また人の使えるようにする。というのが、今の時代の考え方だ。たしかに、浄水により水はきれいになるが、その浄水のコストがどれだけかかるのかは、考えていないと思う。

しかし、つながっていることを意志していた昔の日本人は、“そもそも汚れた水を川に流さない”ようにしていた。洗濯や洗浄で汚れた水を自分の家でろ過をする仕組みをもっていたのだ。確かに手間はかかるが、環境にとってはベストなソリューションであることは間違いない。

この川の水にかかわらず、つながっていること(循環)を意識した行動を、如何にしてとっていくかが、これからの時代にはとても重要なことだと考える。

そして、女性復権。

女性は、生まれながらにして、命をつなぐ大事さを感じ行動をしている。だから、地球環境に対しての意識もとても高いし、常に環境や人の輪を考えて行動している人が男性に比べてとても多いと私は思っている。こういった女性の感性を生かしていくことが、これからの「統合」の時代には強く求められると考えられる。

こうやって考察するに、改めて思うのが、日本人がかつて大事にしてきた価値観こそがこれからの時代に最も求められていると言える。

かつて、日本人は江戸時代に、非常に効果的なリサイクルシステムを確立し、循環型経済を実現している。ものを大事にし、そして自然のあるがままを受け入れそれを生かす匠の思想、あくまでも人間も自然の一部と考える自然に同化した生き方の追及、などなど、かつて日本が大事にしていた価値観に対して、われわれ日本人がその高い価値を再認識し、それを世界に広げていくことが求められているともいえる。

つまり、これまで2000年余りにわたって続いた「分断」の時代から、新たな「統合」の時代に移行していくためのキーワードが、


「日本発の世界改革」

 

なのではないか、と私は思っている。

この2000年以上続いた分断の時代に終止符をうつべく、

立ち上がれ「大和魂」!

↑(以上寄稿文終わり)

投稿日時: 2010年10月8日 6:34 PM トラックバックURL

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