昨日、IT業界で数々の新規事業を立ち上げた実績のある方と話しているときに出てきた話。
WEBやモバイルの活用が進んでくると、結局オープンで隠しごとのできない世界になってくる。
実際に、企業や政治の不正に対しての内部告発が増えてきているし、
Ustreamなどのツールも発達し個人が自在にインターネット放送局を開設できる状況になっているので、国や企業が不正や陰謀を隠そうとしても隠せない、そんな時代になってきている。
つまり、「いつも誰かにみられているような感じ」、
別の言い方をすると、「誰かにみられても恥ずかしくない生き方、働き方が求められてくる時代になった」と言える。
そうなると、人をだまして自分だけが儲けようなんて出来なくなるし、自分だけがよければ、なんていう自分勝手な考え方もできなくなる。
ここで、島国である日本のかつての村々を考えてみる。
それぞれが顔が見える関係なので、属している皆の人柄や属性をよふまえているために、何か悪いことをやってもすぐバレてしまう。そんな環境で暮らしていたので、誰かが悪いことをすることはあまり想定できない。だから、そもそも家に鍵を掛けるなんて習慣はなく、安全に暮らしていけた。
さらに、働き方についても、やましい考えを持ってもしょうがないので、一心不乱に自分のため家族のため村のために働く、そういう風になっていく。一言で言うと、「お天道様に顔向けできる生き方」をしていたと思う。
ここで、皆さんも気づかれたと思いますが、
「IT化が進めば進むほど、世界が日本のかつての村のようになる(つまり島国化が進む)」
ということだ。
つまり、これからの世界には、日本が積み上げてきた島国における生き方のノウハウが必要になってくると思われるのである。
「まわりを慮る生き方」、「お天道様に恥じない自分に嘘のない生き方」、「限られた資源を有効に活用する知恵」、「狭い世界でも皆が気持ちよく生活するための作法」、「ものを大事にすること」、などなど、日本がこれまで培ってきた島国で生きるノウハウを世界が必要としているといえる。
こう考えると、近頃なぜ日本の文化が注目されているかが理解できるのではないか。
投稿日時: 2010年3月4日 9:39 AM トラックバックURL