転職支援をしていて一番やっかいなのが、大企業に10年以上勤めていて、初めて転職する人である。
その企業では、実績も出していて同期と比べても遜色のない実績を出していて将来も嘱望されているが、どうしても仕事のやりがいを感じず、さらに自分が管理職として実権を握るまでには途方もない時間がかかってしまう。
そこで、これまで実績を出してきた自信もあるので、転職しても大丈夫だろうと考え転職活動を始めた人たちだ。
確かに頭もよいし、要領もよい、大企業で実績を出してきただけの素養は十分かえる。
しかし、転職支援をしている立場からいうと困った点も多い。
というのも、
その手の人に限って、年収も含めた希望の条件がとても高かったり、福利厚生(年金や退職金など)に対しての要望の多い。
そして、何より困るのが、上から目線の高飛車な態度である。
大企業で成功してきたので、それが外でも当然通用するものと考え、それなりの待遇を出せないのは、転職支援会社のせいだと思うようである。
こういった人たちには、いくら転職後のリスクや、これまでの会社で通用してきたスキルが他社で通用しない可能性があることを説明しても聞く耳をもたない。
自分たちは、そのリスクを十分理解していると思い込んでいるからだ。
そして、これまで勤めてきた会社のように、素晴らしい環境は与えられて当然と考えているのだ。
それは、あたかも、
「かごの中の鳥」
のよう。
かごの中にいる限り、餌も寝どこもあるし、外敵に襲われることもない。
はじめからかごの中にいるので、食事や快適な環境は与えられて当然と思っている。
しかし、その「かごの中の鳥」が、外の世界がおもしろそうだと、一歩かごの外にでたらどうなるか。
えさの取り方や、外敵から身を守る方法も知らないから、野たれ死ぬしかなくなってしまう。
もし、運よく生き残れた「かごの中の鳥」は、
自分の身は自分で守らなければならない
ということ。そして、えさも環境も自分でなんとかしなければならないことをきっと学んだのだろう。
それと同じといえば言いすぎかもしれないが、初めての転職で失敗をした人たちは、こちらのアドバイスも素直に聞けるようになる。
「自分の知っている世界があまりにも小さかったこと」
に気づいたからだ。
だから、私は、初めての転職の方には、あまりアドバイスはしないようにしている。
そして、
「思い通りやってみたらどうですか。」というようにしている。
ただし、
「困ったらいつでも来てください。」という言葉も付け加えながら・・・・・(^^)
そうしておくと、初めての転職に失敗したと思ったときに、私のところにアドバイスを求めてくることになり、その時には本当の話をすることにしている。
それはそうと、
私はこれまでは、「かごの中の鳥」は、かごの中にいる分には幸せだし、それも一つの幸せの在り方だと思っていた。
ただし、これからの時代、
日本という”かご”、もしくは大企業という”かご”は、いつなくなってもおかしくなくなってきている。
とすると、
いつもまでも「かごの中」いては、”かご”がなくなったときに野たれ死ぬだけになる。
さあ、皆さん、
「かごの中」から出て、本当の世界をみる準備は出来ていますか?
そこには、見たくなかった真実もたくさんあると思いますが(^^;)、
同時に、本当の喜びも見つけることができるはずです(^^)
投稿日時: 2010年9月1日 10:42 PM トラックバックURL