コロナ渦が収まるどころか、広がりを見せる中、不安な毎日を過ごされている方が多いと思います。
一方、この環境を前向きに活用し、自分の生き方や働き方について、これまで以上に考え、自分らしい新たな人生の一歩を真剣に考えるようになった方も増えてきているのではないでしょうか。
自分らしい人生をおくるためには、自分を知ること、そして、自分らしさを極めていくことが肝要であることは言うまでもありません。
しかし、自分らしさを極めていく上で、各々がどうしても乗り越えていかなければならない壁があります。
その壁について、わかりやすく教えてくれるのが、多摩大学大学院の田坂広志名誉教授が、よく引用される寓話『「一つ目国」の悲劇』です。
「一つ目国」の悲劇
ある旅人が、旅の途中で道を見失い、不思議な国に迷い込んでしまいました。
その国は、一つ目人間の国だったのです。
その国の住人は、誰もが、目が一つしかない人々であり、旅人のように目が二つある人間は、一人もいなかったのです。
その国に迷い込んだ当初、旅人は、変わった風貌の住人を見て驚き、そして、しばらくは、彼らを不思議に思って眺めていました。
しかし、その国で過ごすうちに、旅人は、だんだん孤独になってきました。
自分だけが二つの目を持つことが異常なことのように思われてきたのです。
そして、その孤独のあまり、ついに、その旅人は、自ら、片方の目をつぶし、一つ目になったのです。
<寓話の引用は以上です>
この寓話のように、人は、自分だけが違う環境に置かれると強い孤独を感じ、その孤独から逃れようとする傾向があります。
自分らしく生きるということは、他の人とは違う人生を歩むということ、つまり、「誰とも違う。」
という孤独と向き合うことになるということなのです。
そのことを、ちゃんと理解して、この孤独と向き合い、慣れていくことが、本当の自分らしい人生を生きる上で、さけては通れない道であり、逆に、この孤独と上手く付き合うことができるからこそ、自分らしい人生が送れるようになるのです。
投稿日時: 2020年8月15日 4:09 PM トラックバックURL