6年ほど前に友人と一緒に書いた本、「たかがMBA、されどMBA」で11人のMBA社長にインタビューをしたときに、とても驚いたことがあったことを近頃思い出した。
というのも、
「尊敬する人はいますか?」という問いに対して、
11人すべてが、
「そのような人はいない。」
との答えだったのだ。
最近の本屋にいくと、成功物語に関する本が多いと思う。確かに、どれも良い話が書いてあって、すごいなと思うが、本当に共感できるかというとそうでもない。
自分がイチローや勝間和代になれるなんてとても思えない。
資本主義がいきわたった世界では、成功者のモデルは画一的だ。
自ら考え行動しつつ、まわりとの協調も大事にし調整力がある人にならないといけないといわれている。でも本当にそうなんだろうか。
発想力が本当に豊かで人が考え付かないことを思いつく人が協調性も高くなれるのか、逆に協調性が高い人が斬新な発想ができるのか、双方をできるスーパーマンはいるかもしれないが、それはそれで何かを犠牲にしてるのかもしれない。
発想力が豊かな人はその発想力で勝負をし、調整力が高い人はその調整力で勝負する、そういったシンプルな勝負でよいのではないか、と思う。
60億分の1である自分の個性を、もっともっと生かすことを考える方が、これからの時代は豊かに生きれるのではないか。
つまり、成功者のマネをするのではなく、自分だけの自分しかできない成功の形をおっていくことでよいのではないかと思う。
そのためにも、自分の個性、自分の良さ、素晴らしさにもっともっと気がつくよう努力する必要はある。
かくいう私も自分が好きになれない部分が結構ある。
たとえば、皆が輪になって盛り上がっている局面でも、なぜか少しさめた感じで、どこかその輪に100%入り込めない自分がいて、そういった自分が私は好きではなかった。
しかし、常にそういったクールな視点をもっているために、何かあっても冷静に対応できるし、集団をあるべき方向に導くことができることに気付いた。それもまた自分の個性なんだと、そんな冷めた自分を受け入れられたとき、自分がもっと好きになった。
自分の嫌いなところは、みなそれぞれもっていると思う。しかし、その嫌いな部分にこそ本当の個性、大事な宝物が潜んでいるのかもしれない。
もっともっと自分の嫌いなところを見直して、自分をもっともっと好きになろう。それこそ、本当の宝探しなのかもしれない。
その宝探しを続けることにより、自分の個性が磨かれ、自分が好きなり、そして、その先には自分にしかできない成功があるのではないか、と私は強く思う。
他人(成功者)の中を探してもみつからないのは当然なのだ。
宝物は、まさしく自分の個性(自分らしさ)の中にある。
11人のMBA社長の言葉がようやく理解できた。
投稿日時: 2010年3月26日 10:34 PM トラックバックURL